店内で閉店告知をはじめてからというもの、本当にたくさんのお客さんから声をかけていただく。
腰の調子が悪く、柔らかいソファ席が指定席になっているご高齢のお客さんは、「わたしも今月末に手術するのよ。だからあなたも頑張ってね」と、本当のおばあちゃんのような言葉をかけてくれました。
いつもお店で友だちと待ち合わせをして、楽しそうに勉強をしている高校生の女の子は、「あと2年、どうすればいいの〜!」と、思わず大声でさけんでしまいました。
閉店を知ってからというもの、毎日のように通ってくれるお客さん。最後に一度だけでもと、カフェ好きの友だちを遠くから連れてきてくれたお客さん。いつもit's cafeのブログを読んでいるという方からは、遠方に住んでいるのでお店には行けないけど、頑張ってくださいね、と励ましのメールもいただきました。
さっきはお客さんから、「新たな門出に」と、きれいなお花をいただきました。今日の最後のお客さんで、中国から日本語の勉強にきているという女の子は、ゆっくり言葉を探しながら、it's cafeのどんなところが好きだったかを一生懸命に語ってくれました。
こういう、ひとりひとりのお客さんのリアクションを受け止める度に、つらい気持ち、申し訳ない気持ち、嬉い気持ちを三つ編みにしたような、わかりやすく言うと、「ムムム」という感覚におそわれます。
もしカフェではなく、ラーメン屋さんやバー、居酒屋をやっていたら。
またはカフェであったとしても、いまのような雰囲気のお店ではなかったとしたら。
この閉店という事態に際して、お客さんたちとこういう気持ちのやりとりがあっただろうか・・・。ムムム。
もちろん、お客さんからたくさんのねぎらいの言葉をいただけて嬉しい、ということではない。
「お店は、続いてこそ」であって、この場がなくなってしまうのは自分の責任。ほんとうに申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
いつだったか、オリンピックに出た有名な選手が試合に負けて、TVカメラの前で「ごめんなさい」と言った。それに対して「国民のために戦ってるわけじゃないのに、謝るなんておかしいよ」といった世論があった。でもその選手の「ごめんなさい」は、なんとなく理解できる。
僕も自分のために仕事をしている。誰かの期待に応えるためでもない。それはわかっているけど、やっぱりいまは、「ごめんなさい」の気持ちだ。お客さんに対して、友だちに対して、家族に対して。僕に期待をしてくれていたかどうかはともかく、勝手に謝らせてもらう。
「短かったけど悔いはないです! いい思い出になりましたー!」とか書いて終了させるんじゃなくて、こういういろんな後悔や思い残したことを、タラタライジイジ、書いておかなくちゃいけない。
やっぱり自分の中では、「it's cafe」は終わらせることのできない(また再開するということではなく)ことだし、この数年の経験が、実際のところどうだったのか、理解するまでまだまだ時間がかかると思うので。
PS いやー、それにしても。感傷的な記事ばかりになっちまう。
「パフュームのショートの子がツボ」とか、そういうことをダラダラ書きたいんだけど。
■it's cafe[イッツ・カフェ]
- 東京都杉並区下高井戸1-2-14 1F (map)
- open 12:00 / close 22:30 (L.O.21:30)
- ランチ 12:00 - 15:00
- 定休日:毎週水曜日
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